No.541 貝の右巻き・左巻き

立体的にぐるぐる巻いたらせんには、右巻きと左巻きがあります。ペットボトルのキャップやネジの多くは、中心の軸に沿って進むとらせんが時計回りにたどれるように作られています。このような巻き方を一般的に右巻き、その逆を左巻きと呼びます。
らせんの殻を作る巻貝では、殻の尖った方を上にして、開いている部分が右に見えるものを右巻き、左に見えるものを左巻きと覚えると分かりやすいでしょう。巻きの向きは遺伝的に決まっていて、同じ種類であれば、基本的に同じ向きに巻いています。右巻きと左巻きでは内臓の配置も左右逆になります。
海にすむサザエやバイ、川や池などで見かけるカワニナやタニシなど、ほとんどの巻貝は右巻きです。海にすむキリオレの仲間や、公園や林の落ち葉がたまった場所で見つかるキセルガイの仲間など、左巻きの殻を作るものもいますが少数派です。どうして巻貝は右巻きが基本なのか、その理由はよくわかっていません。
身近な巻貝であるカタツムリにも左巻きのものがいます。富山の平野部にはノトマイマイという右巻きの大きなカタツムリがいますが、よく似た左巻きのヒダリマキマイマイという種も見つかります。カタツムリを見かけたら巻きの向きにも注目してみてください。
遺伝的:体の特徴を決める情報が親から子に受け継がれていくこと

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