No.537 火星が見ごろです

とやまサイエンストピックス No.537 (2022年12月)
発行日:2022/12/1
火星
図1 火星
太陽系の惑星の一つである火星(図1)は、地球のすぐ外側で太陽の周りを回っています。地球は約365日で太陽の周りを一周しますが、火星は約687日で一周します。そのため地球は約2年2ヶ月(約780日)ごとに火星に追い付き追い越し、このとき地球と火星の距離が最も近くなります。最も近付いた時の地球と火星の距離は、毎回大きく変わります。火星の軌道が楕円形をしているため、地球と火星が並ぶ場所によって距離が変わるのです(図2)。
前回2020年10月は地球と火星の距離は6207万kmでしたが、今回最も近付く12月1日でも8145万km、次回2025年1月は9608万kmと、地球と火星が接近する時の距離が遠い時期が今後しばらく続きます。今回より近くなるのは2033年7月です。
地球と火星の距離が近いほど火星が明るく見えます。12月は赤く輝く火星がおうし座にいるため(図3)、明るい星が多い冬の星空がさらににぎやかに見えますよ。
 
火星の最接近日
図2 2022年から2035年にかけての火星の最接近日、
地球-火星間の距離、火星の見かけの大きさの変化
火星の見え方
図3 12月1日午後8時ごろの火星の見え方
 
(中林みぎわ)

とやまサイエンストピックス

PAGETOP