No.492 探してみよう!砂浜の小さな殻たち
とやまサイエンストピックス No.492 (2019年3月)
発行日:2019/3/1
発行日:2019/3/1
富山県西部から能登半島沿岸の浜砂を顕微鏡で拡大してみると、アンモナイトを小さくしたような、0.5 mm ほどの砂粒がたくさん見つかることがあります(右写真)。これは、有孔虫という海にすむ小さな生き物が作った、炭酸カルシウム(卵の殻や貝殻の成分)でできた殻です。炭酸カルシウムの殻は有孔虫が死んだあとも腐らず残るので、貝殻などと同じように砂と一緒に運ばれ、砂浜に打ちあがります。
有孔虫は、海水中に浮遊して生活するものや砂の中にもぐって生活するものなど、多くの種類があり、殻の形も様々。浜砂を丹念に探すと、何種類も見つかることが分かります(下写真①)。
有孔虫のほかにも、浜砂から見つかる生き物の小さな殻や骨格がいくつかあります(下写真②~⑥)。これらは炭酸カルシウムなど、ほかの砂より軽い成分でできているため、波や風で集められて砂の表面に白っぽく見えていることがあります。10倍程度のルーペでも観察することができるので、どんな種類があるか探してみると楽しいですよ。
(吉岡 翼)
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